「高橋ボクシング」対応力。

ボクシングにおける対応力とはジャンケンみたいなモノだと思う。
ファイター、ボクサー、ボクサーファイター、サウスポー、長身、カウンターパンチャー、ハードパンチャー。など、細かく分ければまだまだ様々なスタイルやタイプに分ける事ができる。
グーはパーに弱い。パーはチョキに弱い。チョキはグーに弱い・・みたいに、このボクシングスタイルにも得手、不得手がある。それが相性というモノだ。
前の試合では無敵の強さを見せた選手が、そんなにたいした相手でもないのに大苦戦する事がある。その原因が相性の良さ、悪さという場合も多々ある。
「自分のボクシングを通す」とはグーをとてつもなく強いグーにする事ではなく、自分のリズムを崩さず、練習で培った様々な引出し(グー、チョキ、パー)を臨機応変に使い、対応していく事だと思う。
試合で格上相手に「相手がグーで来るから自分もグーで!」じゃ相手のペースに乗っただけで勝負は厳しい。だからと逃げる訳ではなく、勝つ為に今の自分にとって最善の方法を探す事が「今できる事」。
試合に向け、僕が選手らに与える指示も、各選手が「今できる事」に一番の注意を払う。その為には、その選手をよく知り、お互いの間に信頼関係を築いておく事が必要だ。だから僕は他のジムの選手には一切口を出さないように気を付けている。
話しが逸れた。
対応力の前にベースとなるスタイルの確立や引出しひとつひとつのレベルアップも必要だ。弱いパーじゃ、とてつもなく強いグーに負けるだろう。
このジャンケンの理論も、あくまで同レベルの選手同士での対戦という事が前提だ。
中にはグーだけのチャンピオンもいる。とてつもなく強いグーでパーに勝ち続ける人もいる。それはそれで凄い事だけど、そこまで辿り着く事は非常に難しいと思う。
僕のボクシングの理想は自分のボクシングが確立し、そのボクシングに相手を完全に乗せてしまう事。(リカルド・ロペス)
今、僕はどんなボクシングを目指しているのかと言えば「ベースのある臨機応変型」(シュガーレイ・レナード)だと思う。
理想も追うが、今は今で「今できる事」。 ボクシング、まだまだ奥が深い。  マサ