スパーリング大会。9


第十五試合。「山口軍団長、栄二」VS「チャベス吉富」の剛腕対決。
互いにパワーとセンス、落ち着き、研究熱心さを兼ね備えたハイレベルな戦いが予想された。しかし初出場の山口に本番のプレッシャーは強く、いつもの冷静さを欠き、序盤から激しい打ち合いとなる。2ラウンド目からは落ち着きを取り戻し、互いに随所に練習の成果を表した。試合は一進一退の迫力ある攻防だった。ボクシングを楽しむ余裕のある二人にはこれからも大きな向上が期待できる。

第十六試合。「ショーヘイ小平」VS「門司の若乃花、翼」の対戦。
この二人は以前に下関ジムで対戦した事があるが、そのときは翼のRSC勝ち。小平には大きなプレッシャーが掛かる。しかし序盤、小平の動きはこれまでにない程にキレている。それでも門司ジムの選手達に揉まれてきた翼はきちんと対応して1ラウンドに2回。2ラウンドにも1回のダウンを奪う。しかし結果ではなく、自分自身に勝った小平の頑張りを高く評価したい。互いの努力と思いがぶつかった素晴らしい試合となった。

第十七試合。「救命救急、熊井」VS「門司の貴乃花、輝」の最終試合。
今、門司ジムで一番勢いのある輝に元アマチュア選手の熊井がどう対応していくのか楽しみな対戦だった。試合開始からアップテンポな攻撃の中に返しの左フックカウンターを狙う中学生らしからぬ大胆な輝にガードをしっかりと上げて引き際やボディーからの強いプレッシャーを掛けていく熊井。最後は魂と魂がぶつかり合う最終試合に相応しい激しい試合となった。
               表彰式、閉会式、総評へつづく。