結果主義。

今、僕の周りでは幾つかの「結果主義」と言える出来事が起きている。この「結果主義」とは「資本主義」や「物質主義」とも言える。
要するに「心」をないがしろにしているという事。僕も若い頃は「チャンピオン」という肩書きや地位を求めて懸命に努力を続けた。しかし、どんなに頑張っても力があっても、うまくはいかなかった。それには理由があった事を今となれば分かる。
10代20代までは良い事も悪い事も、成功も失敗も、そして苦労もたくさん「経験する事」が何より大切なのだと思う。それは「経験」という判断材料が少ないのに「正しい自分の道」を選ぶ事は非常に難しいと思うからだ。
僕は30代に入り、10代20代で経験した多くの努力や失敗から自分の生きる道が徐々に見えてきた。「なんて俺は運が悪いんだ」と思っていたが、本当は神様に凄く愛されていたのだと気づいた。
僕の多くの失敗や努力や才能から導き出した答えは「指導者としての道」だった。
僕は「指導者」になる為に10代20代を生かされたのだと思えるようになってきた。僕が思う「正しき指導者」の姿とは「結果主義」の考えではなく、「心」を向上させる為に「結果」を求める姿勢だ。大切なのは動機だ。
世の中には「お金」「数字」「学歴」「地位」「安定」「就職」「優勝」・・などの物質だけを求める人や指導者が非常に多いように思う。
選手でも次第に強くなってくると、謙虚さを失い、そういった状態に陥り易い。去年の全日本社会人では、徐々に力を付けてきた住吉が決勝戦で、そういった態度を見せたとき、僕は「なんて選手を育ててしまったのだろう」と非常に落胆し、強い怒りが沸いた事を今でもはっきりと覚えている。
人は失敗や苦労を通して大きく向上するのだと感じられる。その心の向上が伴わないまま、大きな力を手に入れる事はとても危険な事だと思う。子供に大金を与えるのと同じようなモノだ。まあ、それも長い目で見れば経験と言えば経験なんだけど・・
今年の全日本社会人にはただ一人、自衛隊体育学校から全日本チャンピオンが出場している。そう、住吉の階級に。どうやら住吉もボクシングの神様に愛されているようだ。
今大会もチーム一丸となって全力で勝ちにいく!住吉には「今できる事」の中でベストを尽くしてほしいと願う。減量も・・
孤独な「結果主義」ではなく、「心」の向上を伴った本当の「勝利」を味わう為に!そして「人の為に」。 マサ