面談。

今日もジムには多くの見学者が訪れた。ジムの方針として必ず一度は見学に来て頂いてからの入会となる。
見学時にジムの雰囲気や練習風景を見てもらい、自分に合うかどうか、やっていけるかどうかを感じてもらう。(通常、誰でもできる事ではあるのだけど・・)その後、トレーナー又は僕が詳しく説明をする。
中には、住直の判断では、すぐに入会を許可できない入会希望者も訪れる。そんなときには必ず僕(会長)との面談を薦めるようにと決めている。
そして後日、面談となる。まだ若く、礼儀や態度に問題のある子もいれば、大人であっても何かしらの問題を抱える人もいる。
そんな彼らと話すときでも偏見は持たない。僕が心を開かなければ、相手も心を開かない。僕が相手に敵対心を持てば、相手も僕に敵対心を持つ事になる。
ボクシングと同じく「先に動く事」だ。まずは何でもいい。仕事や歳やボクシングをしたい理由を聞いたり、たわいもない話しもする。表情が和らいだところで、入会に対する話しを切り出す。
「会長との面談」と伝えた時点で縁のない人はもう訪れない。それでも、また訪れた彼らには「何かを伝える義務」が僕にはあるのだと思っている。
だから、当ジムはただボクシングをする所ではなく、ボクシングを通じて「向上する事」が目的の場所なのだと熱く話しをする。
ジムの健全な環境や雰囲気を守る責任が僕にはある。だからジムの方針に沿えない者を入会させる訳にはいかない。彼らに変わる気がなければ入会はさせられないし、仮に入会を許可したところで、彼らの為にもならず、長くは続かないだろう。
話しをし、その子の心に届いたかどうかは目を見ていれば分かる。届いた子の目はキラキラと輝きだす。態度や言葉使いもガラリと変わる事が多い。
決して僕の話しがうまいからという訳ではない。僕には「真理」は心に響くという確信がある。
厳しい事を言わせてもらうと、「真理」を知っても目が輝かずに濁るタイプは、自分の課題を乗り越える事ができず、それを受け入れる事もできない幼い心の持ち主だと思っている。
すべての人を入会させる事はできない。ただ、こうして出会った人との縁を無駄にせず、誠心誠意、彼らに何かを伝えていこうといつも心掛けている。   マサ