進路。

 今日、下関ジムにJ一が挨拶にやってきた。大学の卒業試験に向けて学業に専念すると言う。


数日前に電話で話した感じから、少し心配があったので、会って話しをしたいと思っていた。


僕は高校を一年の一学期で中退した。それでも何の後悔もないし、何の不便も感じていない。それは自分の「生きる道」を見つける事ができたからなのだと思っている。


人は皆それぞれ違う資質や環境を与えられている。それなのに皆が皆、同じ道に進むのはおかしい事だと思う。


それでも、多くの人は、より高い学歴を求め、皆と同じように、より良い就職を求めたがるように思う。特に学校や親から受ける影響は大きいようだ。どうして、もっと広い視野を持てないのだろうかと思う事が多々ある。


「理想の就職」とは何だろう?給料?肩書?ブランド?待遇?安定?


僕が思う「理想の就職」とは自分の資質や才能を生かした得意な事であり、好きな事であり、強い情熱を長期間保ち続けられ、自分自身の向上にも、社会の為にも大いに役に立ち、その上で不自由なく食べていく事ができる。そんなモノではないかと思う。


その為に大学での勉強や資格が必要ならば、学業にもより一層の力が入る事だろう。大切なのは「動機」だ。


皆が皆、自分の好きな仕事でプロフェッショナルとして飯が食える訳じゃない。自分の能力、資質、器にあった最善最高の仕事を見つけ、「一万時間の法則」ではないが、長い期間、その仕事に情熱を注ぎ続ける事が社会人としての成功や幸福感を得る為に必要なのだと思う。


それがスポーツ選手の人もいれば、芸能人の人もいるだろう。大工や美容師、弁護士や警察官、消防士の人もいるだろう。それが会社員や公務員という人も当然いるのだろう。


この不景気な世の中では多くの人が「安定」や「保身」を求めたがるのだと思う。僕にもその気持ちがないとは言えない。だけど、「心配」や「恐れ」というネガティブな思いからは良い状況は引き寄せられないように思う。身も心も疲れ果て、負のスパイラルに陥りかねない。


僕にも「心配」や「恐れ」は当然ある。だけど逆に「心配」や「恐れ」を原動力として前向きに捉え、努力や勉強、体力作り、人間力の向上、と「今できる事」を行っていくように心掛けている。これが俗に言う「危機管理能力」ってヤツなのかもしれない。


J一はスパーリング大会で2回のMVPを受賞した程の熱いハートを持つ男だ。はやく「自分の道」を見つけて「一万時間」へのスタートを切ってほしいと思う。スパーリング大会で見せる、あの「熱いハート」を「世の為、人の為に」生かす、そんな男になってほしいと願う。      マサ


PS 密かに3月のスパーリング大会での「J一ラストファイト!」を期待している。(笑)