「高橋ボクシング」左フック。2


今、住直が試行錯誤しながら「左フック」の改善に取り組んでいる。聞いてこない限りあまり指導はしない。試行錯誤し、苦労して得たモノでなければ本当の自分の武器にはならないからだ。
以前から僕は「ボクシングを組み立てろ!」「導線を作れ!」と選手達には言ってきた。その為にも最後に放つ「決めパンチ」が必要となってくる。
僕が現役中に得意だったパンチは「ジャブ」「右ストレート」そして「レバーブロー」の三つだった。だからうちの選手の得意なパンチもその三つである場合が多い。
長谷川選手の登場を機に「左フック」(前の手のフック)の重要性を改めて感じ、ジム内でも「左フック」の改善に取り組んだ。その中で僕が指導する「左フック」(カウンター)のタイミングを掴めたのは若貴の貴だけだった。
KO率の一番高いと言われている「左フック」(サウスポーの場合は右フック)。それはなぜかを考える事が大切だ。
体の構造上、真横から顎を振り抜かれるパンチに弱く、脳震盪が起きやすいと言われている。それに加えられるのが「見えない」という事だと思う。
その為には相手の死角から打つ必要がある。死角から打つ為にはポジショニングがうまく取れなければいけない。ポジションをうまく取る為には「布石を打つ事」や「ペースを掴む事」が必要だ。
それ以外にも「早さ」が必要となる。ボクシングは技術的な部分で言えば「タイミング」と「スピード」が何より大切だ。「見えるパンチ」は耐えられるが「見えないパンチ」は耐えようがない。
先日の「長谷川VSモンティエル戦」は、そんなパンチの応酬だった。僕の大好きなシュガーレイ・レナードも、自分がもっとも得意とするパンチは「左フック」だと語っている。
 
「左フック」のフォームや打ち方だけに留まらず、ナックルの合わせ方やタイミングの合わせ方、様々なシュチュエーションを知る事や組み立て方を追求する事が必要だ。      マサ