貴、決勝戦試合内容。

試合ギリギリまで貴の相手だけは右か左かも分からずに準備をしてきた。「どっちがきても練習どおりや」と常々言ってきた。
前の試合の前にやっと相手が見つかり、「貴、右でファイターやぞ。リードと二手な」と声を掛ける。
試合直前で緊張感の高まってきた貴が「今できる事っスね」と言ってリングに上がる。
すぐ後ろでは若が控えているので、僕にも少しプレッシャーが掛かってきた。
試合開始。序盤、いつもなら強引に攻めてしまう貴だが、練習どおりのリードと二手を使いリズムを掴む。要所要所でカウンターが入っているが、なかなかダウンが取れない。最後に放った右ストレートで一度目のダウンを奪って1ラウンド終了。
インターバル中、多少強引に攻める貴に「右のガードとリード!丁寧に!!」と指示を出す。
相手選手も馬力も上背もある良い選手で、ギリギリの戦いが続く中、2ラウンドにも一度、3ラウンドにも一度カウンターでダウンを奪って、計三度のダウンでのRSC勝ちを収めた。
残念な事に会場からは酷い野次が飛び、一時試合が中断した。白熱した良い試合であっただけに非常に残念に思った。
しかし、この試合内容が評価され、中学生の部で3人頂ける優秀賞を貴が受賞する事となった。

「勝者!山本輝!(貴)」とリングアナウンスされる前に、前に回りこんで写真を撮りたかったが、次の若の準備をしていて後ろからの写真しか撮れなかった。貴、すまん。

貴、優秀賞受賞。これも、いつも手抜きをしない練習態度の「因果」であると僕は思う。   マサ