住吉、試合内容。


自衛隊体育学校で岡山県出身の現全日本チャンプであり、オリンピック日本代表の清水くんと向き合う住吉。

序盤、作戦通りの動きでリズムはいい。だが、少し体の動きに精彩がない。それでも、ここまでは上々の滑り出し。勝負は2ラウンド以降と読んでいただけにコーナーに戻ってきた住吉に「住吉!ナイス!」と声を飛ばす。少し精彩に掛ける部分への注意を出して2ラウンドが始まった。
去年と同様に、ペースに乗れ切れていない清水選手がアタックを強めてきた。これもこちらの想定どおり。この状態での戦い方も決めていたが、体に元気のない住吉には、その方法がうまくできず、以前からずっと注意を与え続けている悪い癖も出てしまう。

これも清水選手の強いプレッシャー故とも言えるが、続けて三度のスタンディングダウンを奪われてRSC負けを喫した。
リングを降りてきて涙を流す住吉。後で涙の理由を聞いたら「申し訳ないという思いでした」と言う。
減量の失敗に悪い癖も出てしまったが、これも今の住吉にとって清水選手という大きな壁があってこそ、あらわになった課題なのだと思う。
この中国ブロック大会では元全日本チャンプ、日大の上林選手にいつも良い勝負をしながらも一度も勝つ事ができず、この清水選手には去年と同様に2ランドRSC負けを喫している。
ここに「喉元過ぎれば熱さ忘れる住吉」への、そして僕への課題があり、いつそこに気づくのかと何度も促されているかのように強く感じる事ができた。
正直、減量の失敗がなくても今の住吉の力で清水選手に勝つ事は難しいとは思っていた。それでもチーム一丸となって全力で挑んだ勝負故に大きな学びがあったのだと思う。
やはり相手は敵ではなく、有難い課題である事をまたも強く感じ、いつも同じ失敗を繰り返す住吉に、そして僕(指導者)にとって必要な事を教えてくれた。
11月に山口県で行われる全日本選手権、来年の山口国体、更に全日本と、本当の勝負が次々に待っている。マサ