全日本社会人選手権大会総評。

今年の全日本社会人選手権大会には、いつもとは少し違う思いを持って臨んだ。
数週間前の全日本予選を減量失敗の為に落とした住吉と着実な向上を見せつつも自らが持つ課題に気づいた直人。
僕がずっと見据えている場所は、社会人大会でもなく、山口国体でもなく、もっと高い場所。
この社会人大会も山口国体への弾みであり、もう僕らが本当に戦う場所ではないのだと思っていた。
ところが、準決勝では住吉のまさかの敗退に、またも大きな学びを得る事となり、優勝した直人にも、苦しい戦いの中から、まだまだ伸ばせる部分(可能性)も見えた。
全日本予選も、この社会人大会も、山口国体への伏線なのだと捉えている。それでも、けっして山口国体の為にボクシングをしている訳ではないし、優勝やチャンピオンというモノの為だけに頑張っている訳でもない。
         「ボクシングは 人間的に成長する為の 手段 であって 目的 ではない」 
県大会、実業団、社会人、全日本、そして地元、山口国体と、その課題は徐々に難しさを増していく。
日々与えられる一つ一つの課題に真摯に向き合い、逃げず誤魔化さずに懸命に取り組んでいく事が、人間的に成長する為の 「今できる事」 であり、ボクシングの中で成果を出す為の道なのだとも思う。
住直の階級を入れ替えて臨む 「山口国体」 。ここで二人揃って成果を残し、山口県連への恩返しをする事、応援してくれる皆さんを喜ばせる事、自分達の人間的成長、そこに向けての人間的、ボクシング的改善や努力も、あと2週間。
幾つかの問題を抱えている住吉。しかし光はある。順調な直人。しかし油断はできない。そんな二人とチームとして皆で向上し合うべく、山口国体に向けてのラストスパート。
思いがけない多くの学びを与えてくれた「全日本社会人選手権大会」に感謝。また、大会運営の皆様や北海道関係者の温かい応援に感謝しております。    会長 高橋正行