ファイン新井(関門JAPAN)VS山口祥吾(西遠)試合内容。


ファイン新井、一つのルーティーン。リングに勢いよく駆け上がる!

リングイン!

赤コーナー!関門JAPAN所属~ ファイン新井~!!

この試合、一番大切に思っていた第1ラウンド。ファインのリードパンチに距離が詰められない山口選手。
しかし、ファインの動きが硬い。
この硬さは過去二戦にはなかった硬さだ。

なんとか距離を保つものの、パンチが単発気味となり追われる形を作ってしまう。

インターバル。「どうだ?パンチあるか?」と感想を聞く。
          「大丈夫です」
練習どおりには動けていないファインに幾つかの指示を出すものの・・

第2ラウンドに入っても展開は変わらない。クリーンヒットとダメージはファインが与えているが、追われる形は変わらず、印象が悪い。
ジャッジによっては相手にポイントが入っている可能性もある。
第3ラウンドに入るインターバルで 「今、勝ってますか?」と聞くファインに「どっちに付いとるかわからん。ここからが勝負になるぞ。次のラウンドからコンビネーションを多く使っていくぞ」と指示を出す。

コンビネーションからのボディが度々決まり、動きが止まる山口選手。

「よし!このラウンドは取った。俺の採点やと1ポイントはリードや。最終ラウンドは勝負しかない。コンビネーションを忘れるな!」
関門JAPANに逃げるという選択はない。そして逃げて勝てる勝負でもないと僕は感じた。

ファイナルラウンド。

パンチで突き放したいが、最終ラウンドに入って動きの落ちているファインは頭を付けての打ち合いに行ってしまう。
そこに山口選手の細かいパンチが入る。

攻撃が単調になっているファインに「切り替えろ!!」と何度も声を飛ばすが、聞こえていない。
ガードも下がってきている。「右のガード!!」と声を飛ばす。

その刹那!試合終了までラスト10秒のところで痛恨のダウンを奪われる。

立ち上がったところで、試合終了のゴング。
く~!!それでもダウンは取られたものの判定はまだ分からない。
しかし、3-0で青コーナー山口選手の手が挙がった。
最後のダウンがなければ・・という思いは残るがこれも必然だと僕は思った。
中日本で敢闘賞の山口選手はきっとファイン以上の練習をしてきた事だろう。ファイン新井を相手にする事になり、過去最大の練習を積んだとも本人に聞いた。

激しい試合に健闘を称え合う。
この試合はファイン新井にとっても、僕にとっても忘れられない貴重な経験となり、学びとなった。

まだファイン新井の戦績は3戦2勝1敗。来年も新人王戦にエントリーする事ができる。
本人からも「来年、もう一度出してください」と願いがあった。
ファイン新井のドラマティックファイトはまだまだこれから。 来年もう一度新人王戦に挑戦!
来年こそは僕も自信を持って「新人王を獲る!」と言える強いメンタルを身につけて欲しい。

ファイン新井のプロ転向以来最大の試練は終わった。
帰りの車中、今日の敗因をずっと話した。
ファインの子供の頃からの話から、プロになってからもずっと持てない自分への「自信」の話まで。
僕は成果主義ではないので、勝てばいい。結果がすべて。という考えはない。ボクサーとして、ジム会長として一番大事にすべき事は人としての成長であり、世の中に対する貢献(勇気と感動を伝える事)なんだと思っている。
だから今日の負けがファインの課題をあぶり出し、成長を強く促すのであれば、それは素晴らしい経験だったのだと思う。
ボクシングは究極の「心のスポーツ」だと僕は常々言う。
周りからの期待が大きかった啓助も負ける経験をし、高校生の頃に比べて立ち直りが早くなった事に成長が感じられる。
まだ20歳。啓助のプロボクシング道は始まったばかり。
負ける事を怖がらずに挑戦を続ける関門JAPANボクシングジムの一員に晴れて仲間入りし直したような気がしている。
すべてをさらけ出し、自身の課題を明確に持てた啓助、ファイン新井の今後に期待していてください!
来年は本気で新人王狙います!!(^^)/  多くの応援ありがとうございました。<(_ _)>   会長

おまけ。昨日はたくさん美味しいモノ食べさせたけ、帰りは吉牛や。吉牛も旨いけどね。笑