スマイル渚(関門JAPAN)VS鈴木月歩(黒崎カナオ)。

関門JAPANボクシングジム

約半年前のスマイル渚デビュー戦は女子選手不足という事もあり、相手は8戦目となる選手だった。

初試合で8戦目の選手とやるか?やらないか?僕も迷ったけどスマイルの返事は「やります!」だった。

この試練には僕もかなり力を込めて指導し、本人の努力もあって確かな成長を見せ、十分に勝てる状態まで来たと思っていた。

ただ一つ心配なのはデビュー戦での緊張。

一生に一度しか味わえないデビュー戦。

勝っても負けても経験!

そんな思いで臨んだデビュー戦は極度の緊張から序盤にダウンを奪われ、それがまさかの眼窩底骨折だった。

その後、練習してきたカウンターでダウンを奪い返すものの、レフェリーの判定はスリップ。この判定がダウンであれば試合はドローだったが緊張のデビュー戦は判定負けという結果になった。

救急車で運ばれ、その後に眼窩底骨折の手術をし、治療とリハビリをしての再起戦。

怪我や故障も多いスマイルだけど一度として辞めるといった弱音を吐いた事はない。

家族に勇気を与えたい。自分と同じような問題を持った人達に勇気を伝えたい。

いろいろと諦めてきた渚には「諦めない」という思いで、みんなに勇気と感動を伝えたいという思いもある。

スマイル渚は関門JAPAN初の女子ボクサーとして多くの問題を乗り越え、このリングに戻ってきた。

試合数日前に、眼窩底骨折の怖さやまた緊張してしまうかもしれないという不安などを聞いて、その怖れを解消し、心のブレーキは外れた。

それでも二戦目で平常心というのは難しい。

この日の為にやってきた緊張を和らげる呼吸法を。

デビュー戦より、かなり進化しているスマイル。

今回は落ち着いてる。が・・

対戦相手の鈴木選手はデビュー戦だけど、とても気が強く、打たれても打たれても前に出てくる。

その圧力で練習でやってきたボクシングはできていないけど、まだプロ二戦目!気持ちで負けてるようじゃ先はない!

今年のテーマ「強気」が目の前に現われて渚を試してきている。

最終ラウンドへ入るインターバル。

「ここまで勝っとるとは思う。やけど最後のラウンド取られたら分けるかもしれん。勝ちと引き分けは雲泥の差や。渚、家族の為に勝つんやろ?」

「はい!勝ちます!!」

両者1ラウンドからずっと手を出し続けてかなり消耗している。

ここからはどっちが勝ちたいという思いが強いか、そこだけだ。

練習中、気持ちが足りん!最後に気持ちが出るんや!!と何度も叱ってきた。

その渚が、最後の力を振り絞って、顎を引いて前に出て最後まで果敢に打ち合った。

前回の眼窩底骨折の影響があり、右ストレートを思い切り打ち抜く事が出来ずダウンは奪えぬままに試合は終わった。

判定を待つ。

2-0 勝者!赤コーナー!!スマイル渚ーー!!

長かったこの半年間。スマイル渚に光が差した瞬間だった。

家族も泣いて喜んでくれて本当によかった。

心配ばかりかけてきた渚だけどやっと親孝行ができたと思う。

今回のボクシングは50点。だけど強気の鈴木選手に気持ちで負けずに競り勝ったので100点!技術や戦術はこれから使えるようになる。この試合だけは勝つ事に意味があった。

初戦の負けがなくて、この試合に勝てただろうか?

初戦の負けがなくてこの成長と感動があっただろうか?

逆境こそ成長のチャンス!災い転じて福となす!変毒為薬!!

まだ四回戦の二戦目だけど、そこには人間的成長という確かな勇気と感動のドラマがあった。

諦めない!乗り越える!成長する!関門JAPANが伝えていきたい事。

スマイル渚はきっとそれを伝えられる真の女子チャンピオンになれると僕は思っている。

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