「高橋ボクシング」フェイント。

僕のボクシングは左ジャブが命です。左ジャブだけでも戦う事ができます。
しかしただ単に左ジャブだけを打っていてはいくら速かろうが、強かろうが、ノーモーションだろうが相手に捕まってしまいます。
ペースを掴み、自分の距離をキープし続けるには「フェイント」が必要です。
僕は中学生の頃、中2の終わりからサッカー部に入部し、自分の特性を考えてドリブルで相手を抜く事に情熱を燃やしました。中途入部でライバルを追い越し一番になる為には人に無い武器を身に付けるしかないと思い、そこに騙しの美学を感じたからです。相手を抜いて置き去りにする快感はたまりませんでした。
相手を抜くには足の速さやボールコントロールだけでは抜けません。瞬時に相手の心理を読み取り、騙し、混乱させ、逆を付く事が必要でした。それに必要なのが「フェイント」です。
授業中、先生の話しも聞かず、僕のノートには相手を抜く為のフェイントやコツが毎日びっしりと書かれていました。(笑)晩飯を食ってからの自主練も毎日やりました。休みの日もやりました。それがたまらなく面白かった。
大きな動きでは自分自身の動きを制限してしまうので、「フェイント」はどんどんリアルに最小限の動きになっていきました。
約一年間のサッカー部生活で最終的にモノにしたのは積極的フェイントではなく相手を誘い出ばな狙って抜くというカウンター的な抜き方になりました。
人を騙すって一般的には悪い事ですが、勝負の世界では非常に大切な事だと思います。
相手を騙す。惑わす。自分のリズムに乗せる。最小限でシンプルに。相手の心の機微を読み取る。というところはそのままボクシングにも通じます。
ボクシングで使うフェイントには見せかけだけではなく、ある程度の気迫も必要です。
伏線や布石を打っておくという方法もあるし、考えればまだまだ様々な騙し方(フェイント)があります。
自分で苦労し、試行錯誤して会得したモノ程本当の武器となります。だけど、そんなモノがあるんだよ。という知識は与えておかねばなりません。
今、急成長中の住直に与えている課題は「フェイント」。奴ら人間が素直過ぎるんで・・もっと意地悪になれ~ マサ