すべてはひとつ。

最新刊の「バガボンド」の中で「すべてはひとつ」という台詞が出てくる。
作者の井上雄彦さんは「バガボンド」の他にも「スラムダンク」や「リアル」など、心を揺さぶる多くの真理的な言葉を使った作品作りが人気の原因なのだと思う。
漫画であれ、子供向けの作品であれ、ボクシングであれ、深い真理の含まれるモノに人は共鳴し、感動するのだと思う。
昨日の選考試合で感じた事もある。僕らは山口県の代表として中国ブロックで戦う。全日本に行けば中国ブロックのメンバーは同じ中国ブロックとして助け合う。世界に行けば同じ日本人の日本代表として皆が応援してくれる。
もし、宇宙人が攻めてきたら、きっと世界中が同じ地球人として共に戦う事になるだろう。
「すべてはひとつ」は「人の為に」にも通じる。すべてはひとつと広く大きな目で見ればジムや学校、県や国自体の自分本位な争いに疑問が生じる。
最近、相手選手と戦っているという感覚は僕にはあまりない。だから憎しみや恨みもないし、妬む事もない。
指導者の中には自分の選手を勝たせる為だけに躍起になっている人も少なくないように思う。これこそ、自分だけ良ければいいという自分本位な考え方なのだと思う。
自分本位な考え方になると成功への可能性は限りなく小さくなる事を、僕はボクシングと半生を通じて学んできた。
人は、同じ人として「すべてはひとつ」なのだと考え、「人の為に」と働く事が本当の幸せや成功を掴む為に必要な事なのだと思う。
ボクシングは殴り合いのスポーツだけど、そこに感情や私心は極力入れないようにと日々努めている。   マサ