それぞれの課題。2


腰と首が悪い白石と足の裏の炎症で実践練習ができない直人は筋トレに励む。怪我や故障にも意味がある。

実践練習相手がいない住吉は黙々とバックを叩く。
こんな状況の中、僕は何を思う。彼らに今、与えられている課題は何だろう?何を学び、何を得ようとしているのか?って。
豊国の啓助は左手を骨折し、当分の間、実践練習ができない。一年生の始めから、ずっと試合や練習試合に出続けてきた啓助に基礎がまだできていない事をずっと言っていたが、本人は実践に気持ちが向かい過ぎていた。
これでは更に上は目指せないと気になっていたときに、この状況が与えられた。本人は「焦ってます」と言うが僕から言えば今が向上の絶好のチャンスだ。
同じく豊国の喬之も大きな課題を持っている。本番で力が出せない。どこかで自分を見失う。課題を乗り越える方法は伝えている。あとは「自分次第」。
今日から喬之は新潟で行われる国体の中で課題と戦い、また何かを学んでくるだろうと思う。
まだ中学生の若貴は「継続する」という課題をなんとか乗り越え、ここまできている。
選手である住直白に与えられている課題を完全に読み取る事は難しい。それを読み取る事が僕に与えられた一つの課題なのだと思っている。そして、幾つかの兆しがあり、練習相手のいない住吉の為にも、と昨日の夜から走り出した。 
生まれてから日々与えられる課題を読み取り、一度も逃げずに、誤魔化さずに、後回しにせずに、生き続ければ人はどれだけ向上するのだろう?きっと今では想像もできないような大きな未来が待っているように思う。
それに気づいた僕は課題から逃げる事はしない。後回しにする事は、たまにあるけど・・(笑)     マサ