将来を考える。

高橋イズム

ボクシングで上(チャンピオンなど)を目指す者にとって、またはその親御さんにとっての一番の心配は「将来の事」ではないかと思う。
家庭や学校では就職や進学を勧め、それが親や教師らの仕事としてのゴールだと思っている人も多いのかもしれない。
多くの親も教師も就職や進学という「安定」を求めたがるようだが、年功序列や終身雇用の保証されない今、リストラや倒産という危険も大いにありえる。派遣切りや正社員の賃金カットや負担が増えている事もよく耳にする。
ボクシングで「強くなたい!」「チャンピオンになりたい!」と強く願い、必死に精進する中で人は磨かれ、人間力を養っていく事ができる。
その中で「努力の大切さ」「忍耐」「継続力」「感謝」「逆境に打ち勝つ精神力」「自主性」「失敗に対する打たれ強さ」「人の為に」etc・・という多くの事を「人生の縮図」のように学ぶ事ができるのだと思う。
そこで培った強い「人間力」こそが、今の時代における一番の「安定」や「安心」と言えるのではないだろうか。
僕は選手らの将来には他に依存しない「自営業」を勧めている。ボクシングこそ、身ひとつで戦う、正に「自営業」なのだから。
それでも、多くの人の力を借りる事は必要だし、自分ひとりの力では何も成し遂げられない事もボクシングを通じて知っている。
僕は高校を中退したし、チャンピオンにもなれなかったが、それでもこうして「自分らしく」生きている。今からも、大きな目標に向かって日々向上しながら「自分らしい人生」を生きていく。
「自分らしい生き方」をする為には、それだけの「信念」や「自主性」、「覚悟」や「努力」が必要となる。何の後ろ盾もない。あるのは今までに培ってきた、そして今からも高めていく「人間力」だけだ。
そんな「人間力」を身に付ける事こそが将来的に見ての「ボクシング」をする本当の意味ではないのかと思う。
どんなに学歴や資格があったところで、人生の中で起こる様々な試練や逆境の前では何の役にも立たない。必要なのは強く正しい「人間力」。昨今の犯罪者の中に高学歴な者が多くいるのもいい例だと思う。(高学歴を否定する訳ではないが・・)
モノに恵まれ、便利になった過保護な世の中が日本人の「自主性」や「考える力」を奪っているように思う。また、多くの指導者や親は子供の物質的な「安定」や「成功」だけを願い、大切な「心の向上」を忘れ、苦労や失敗を避けさせたがる風潮があるようにも感じている。
指導者や親が広く大きな目で選手や子供達の「将来」を考える事や、人と同じではなくても「その子らしい生き方」を尊重する事が大切なように思う。 
ボクシングで強くなった、チャンピオンになったからといって人間として偉い訳じゃない。その人がボクシングを通じてどれだけの人間になれたのかが一番大切な事なのだと思う。
僕は今、そんな思いを持って選手や会員らの指導にあたっている。  マサ

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