直人、二回戦試合内容。

今日の相手は名古屋大学の長身サウスポー。昨晩から何度も直人の「今できる事」の中で策を練り直し、今朝になってから更に練り直して直人に伝えた。
直人には作戦をしっかりと実行できる強い意志がある。そこに期待が持てる。うまく噛み合うかだけが心配だった。
試合が始まり、作戦は見事に的中し、完全に直人のペースになった。プレッシャーが常に掛かり、パンチを効かせてダウンも奪った。2ラウンドが終わった時点で安心して観ていられた。

ところが、判定になり相手の手があがった。僕はもちろん、相手チームも大きく驚いている。完全に勝ったと思った試合が負けとなってしまった。

ポイントを見ると5対6。1ポイント差。それでも、すんなりと納得はできない。少し落ち着いて考えた。「これも導きか?」
直人はよくやった。強化走り込みも厳しい減量もしっかりやったし、試合自体は体のキレは相変わらず無いものの作戦通りのボクシングを実行した。

「もっと練習します」と直人は言う。その後、負けた理由や負けた意味を話した。
同じような負け方が今までにも幾度かあったが、今大会の目標であった「入賞」の懸かった今回の負けは特に悔しい。
この悔しい思いが、直人に、僕に、「はやく気づけ」と何かを強く気づかせようとしているのだと思う。
この負けをそのままにはしない。きっと今から直人は大きく向上する。させてみせる。        マサ