住吉、準決勝試合内容。


いつものように勢い良くリングに駆け上がる。気負いや緊張は感じられない。

試合が始まり、不安が的中する。相手のリーチの長さにペースがなかなか掴めない。ペースを変えようと踏み込んだ刹那、昨日チャンプをKOした左フックカウンターで試合で初めて倒される。あのKOは偶然ではなかったのだ。
幸い、ダメージはほとんど無い。ダウンした場合も想定していたので慌てずにその場をしのいだ。このダウンで住吉に逆に気合が入ったようにも感じられた。
作戦であったインサイドに入り、ボディー攻撃を仕掛ける。何発か効かせたパンチもあったが、相手が体を寄せては脇の間に手を差し込んで上げるという老獪さに勢いを削がれてしまう。
2ラウンドが終わり、ポイントでは負けているのは感じていた。「ここからが勝負やぞ!」と声を飛ばす。本人も分かっている。
しかし、相手の老獪さにペースは変えられず、最後のゴングが鳴った。

幾度の修羅場をくぐってきたであろう相手のうまい試合運びにやられた。気持ちでは負けていなかったが、最高峰でのアマチュアボクシングの難しさを感じさせられた試合となった。

普段から見えている住吉の課題が浮き彫りとなった。去年に続いて全日本選手権大会3位入賞だが、喜びはあまり無い。
全日本での、この準決勝からは住吉にとっても僕にとっても大きな壁である事を感じられた。やはり相手は敵ではなく「課題」であるのだと感じる。
決勝進出を決めた全選手を見ていて感じる事が幾つかある。それが、今後の住直に課せられた課題だ。
全力で勝ちにいった。準備も心構えもバッチリやった。だからこそ、何が足りないのかがよく分かった。
ビデオを皆で観直し、明確に課題の確認をした。必ず次に繋げる。 マサ
PS 明日の決勝を観てから帰ります。その後、僕が全日本から学んだ事を書きたいと思います。これもやはり一つの「真理」であるのだと感じました。