亀田大毅VSデンカオセーン。


王座奪取を果たした亀田大毅選手の一戦から多くを学んだ。
亀田三兄弟の中で一番才能がないと思っていた大毅選手は他の二人に比べるとセンスも勝負度胸もイマイチだった。
他の二人はチャンピオンになっても大毅選手は無理かなと思っていた。実際、内藤戦では大きな力と心の差で大敗を喫した。
この一戦による負は予想以上に大きかった。試合前から試合内容まで、亀田家の悪い部分が顕著に現れた。そして、この一戦が亀田家存亡の危機をも招いた。
それを起こしてしまった張本人の大毅選手。これも因果と言えば因果だが、若干18歳での試練としては、あまりに大き過ぎるようにも思えた。
そして数年後の大毅選手の復帰戦。素晴らしい変貌ぶりに驚いた。顔つきが違った。大きな試練を乗り越え、大きく向上したのだとすぐに感じられた。
そしてデンカオセーンとの一戦目。内藤戦の反則事件からの影響か?プロとして、あまりにボクシングがクリーン過ぎた。結果、僅差で判定を逃す。これもやはり因果か。
そして今日のタイトルマッチ。前回の試合からの僕の予想は互角。今度は前回の失敗の修正を当然してくるはず。そう考えれば充分に大毅選手の勝ちもあるように思っていた。
試合前の大毅選手、今回も顔つきがいい。試合が始まり、序盤は互角の戦い。しかしこのままだと王者のペースになるのでは?と心配したが、王者のペースは上がってこない。逆に大毅選手の勢いは最終ラウンドまでまったく落ちなかった。
判定は3-0で亀田大毅。ポイントも僕の採点とまったく同じく6ポイントの大差が付いていた。
フィジカルと精神力。正にこの差が出たように思う。フィジカル=筋力や持久力 は努力で充分に上げられる部分でもある。大きな試練を乗り越えて培った精神力も大きな勝因となったのだと思う。
類稀なる才能を持たぬ大毅選手には「一万時間の法則」の倍の「二万時間」が必要だったのかもしれない。
3歳からボクシングを始めたとして一日三時間の集中した練習や研究×365日×9年間で約一万時間。大毅選手は今21歳。世界タイトル奪取までちょうど9年間の倍の約18年間のボクシング歴となる。正に「継続は力なり」だったのだと思う。
この試合の一番の功労者は大毅選手である事に違いはないが、本人も「勝利者インタビュー」で語るように、その環境を与え、18年間支え続けてきた影の功労者である父、亀田四郎さんや兄弟達の存在を忘れてはいけないのだと思う。
亀田家の絆はいつも目頭を熱くさせる。おめでとう!とテレビの前から拍手を送った。門司フィットネスも亀田家に負けぬチームワークでいつまでも戦っていきたいものだ。      マサ
PS 例えば住吉、16歳から始めたボクシングで9年後に全日本社会人と実業団で優勝。全日本では3位。やっぱ、こやつにも、あと9年間いるんかな~と思った。16歳から18年後・・・33歳まで頑張ったら世界チャンピオンになれるかも?頑張れや!(笑)ちなみに19からボクシングを始めた直人は36歳。(笑)