直人、試合内容。


日大キャプテンの福原選手と対峙する直人。福原選手がハードパンチな事は充分に知っている。全国トップレベルの実力を持つ選手とライトウエルター級での対戦は初。KOされるかもしれないという恐怖もあるだろう。それだけに「今できる事」に手は抜いてこなかった。試合直前、「自分との勝負やぞ!」と声を飛ばす。

大事な1ラウンド目。大切にしたのはリードと位置取りと先動き。集中も効いてはいるが、何発かの被弾がある。この相手にRSC勝ちは難しい。最終ラウンドまでを考えるとダメージの蓄積を避け、極力小さなパンチも貰いたくない。「直人!リード貰うな!」と声を飛ばす。序盤の滑り出しは上々。2ラウンド以降からは気持ちの勝負になってくる。

終盤に入り、ワンパターンになり掛けた直人に「チャンネル変えろ!」と事前に話していた指示を出す。そこから一気に直人がペースを握った。福原選手のパンチは相変わらず力強いが、どういう訳か、いつもの気迫が感じられない。勝負はここしかない!「直人!!勝負~っ!!」
両者力を出しきり、試合終了。ヒット数は直人が上。一発の威力は福原選手。しかしペースは直人が握っていた。
勝敗が出る前に僕の中では、もう完結していた。

僅差ながらも福原選手の手が上がる。それでも直人の今の力はほぼ出せたと思う。気持ちも作戦も負けてはいなかった。
ただ、まだまだフィジカルという部分にも技術的にも課題が残っている事は感じられた。それは本人も重々に分かっている事だろう。
今の自分に与えられた課題に挑み、試合に負けはしたが、勝ちもした。成果主義で考えれば、「負けは負け」という事になるだろう。
だけど人としてのゴールというモノはない。だから昨日の自分に今日勝てればそれでいいのだと僕は思う。相手に勝てなくても以前の自分に勝っていれば、それは力が上がってきているという事。
相手は敵ではなく有難い課題である事を考えると相手チームや福原くんにも強い感謝の気持ちが沸いてくる。チームとして協力頂いた平田くんにも感謝。
石井直人。負けはしたが、また一つ強くなった。かな?(笑)        マサ

おまけ。試合が終わって近くの「水木しげるロード」を観光。これが門司フィットネス流。(笑)