H22 中国ブロック大会in鳥取 総評。

今回の中国ブロック大会に向かう前に書いておきたかったが、時間があまりなく書けなかった言葉がある。それは「学び多き大会になる事を願う」だった。
住吉の階級にはオリンピック日本代表の清水選手、直人の階級には日大キャプテンの福原選手がいる事は何かの導きであると感じていた。
常日頃、住直に与える課題があり、その課題を超えなければ絶対に勝ち目のない相手をそれぞれに与えられているのだと思う。
まずは住吉。中国ブロック大会初出場から四年連続で日大の上林選手に負けている。そして今年は去年と同様に清水選手に2ラウンドRSC負けを喫した。
いつも良い勝負はするのだが、あと一歩が届かず。一番の敗因は「減量」。節制のない状態から約6キロ程の減量は計画的に自制心を持って行えば、さほどキツくはない。
しかし、それができずに試合間近まで数キロオーバーし、前日に急激に体重を落とす為にベストコンディションでリングに上がった事はほぼない。
今大会は酷く、鳥取に向かう車の中でガムを噛んで唾を5時間出し続け、なんとかリミットに入れたが、検診計量時に「脱水症状の兆候」を指摘され、ベストコンディションにはほど遠い。
ベストコンディションでリングに上がっても、今の住吉が清水選手に勝つ確立は25パーセントだと住吉に話していた。その中でも勝ちを目指す為には「ベストコンディション」である事が必要最低限だとも言っていた。が・・
そして、迎えた中国ブロック大会。唾を出しながら到着した初日の試合に住吉VS清水の試合がバッチリと組まれた。明日以降なら幾分体調も戻る可能性もあったが、これもきっと「因果」なんだろうと思った。
清水選手との対戦に際してはチーム一丸となって全力で「今できる事」を行い、試合の中でも多くを学び、次に繋げる為の課題も見つけた。
しかし、本当は試合の前に住吉はすでに負けている。「減量」も「試合」も極論を言えば自分自身との戦いなのだと僕は思う。
そして、それを今まで強く指摘せず管理してこなかった僕にも責任がある。
減量のほぼない階級に上げた直人の課題も大きなモノだった。相手は日大のキャプテンを務める福原選手。彼の今までの壮絶なKOシーンを何度も見てきただけにプレッシャーは大きかった事だろう。
策はある。しかし、それを生かし、勝ちに繋げる為に、直人に必要なモノは「強い気持ち」と「フィジカルアップ」だった。
検診計量時、福原選手の顔色が冴えないのを見てチャンスがあると感じていた。試合が始まって、案の定、福原選手の動きにはいつもの元気がない。
強い気持ちで作戦どおりの動きを実行していく直人。注意していた「リードを貰わない事」さえ、出来ていれば完勝となったはずの試合だった。
僅差のポイント負けで、周りからは「惜しかった」「良い試合だった」という声もあったが、僕に悔しさはなかった。中国ブロックには広島、岡山という強豪県があり、山口県が団体として二位に入る事は難しく、国体の本戦に出る事は出来ない。
だから、この中国ブロック大会では、そんな強豪らとの手合わせによる学びが一番の目的だった。何が通じ、何が足りないのか。悔しさと共に十分に直人自身も感じられたようだ。
初戦からいきなりの「住吉VS清水」。「直人VS福原」。学びの種類は違えど、これほどに学び深き大会となった事はない。感謝。
今回の敗戦から学んだ事を無駄にせず、次に繋げる為に「覚悟」を決めた。     
最後に今回の出場にあたり、ご迷惑をお掛けしたジム会員の皆さん、応援して頂いた皆さん、そして中国ブロック大会運営の皆様、山口県連の皆様、本当にありがとうございました。  会長 高橋正行

今年の山口県連チーム。少年の部で佐波高3年生の田中くんと成年の部では松江くんが初優勝し、山口県に一花咲かせてくれた。

今日から早速、練習再開!

「全力坂」も増量!足りないモノは分かった。11月の山口全日本に向けて「今できる事」を!