住吉の敗因。

住吉が力を出せなかった原因を考えていた。
直人は練習の成果をきちんと出している。同じ練習を積んできた住吉には直人を上回るキャリアも実績もある。
それが今になってなぜ?
ここ最近の住吉の様子を思い返してみた。
折尾ジムでのスパーも気負い過ぎて良くなかった。
住吉は強い思いを込めて、この大会に臨んだ。
それは亡くなったおじいちゃんへの思い。
直人にも、その話しをすると「じいちゃんが入院していた7月から、ずっと暗かったですね」と。
最近、少し影のある感じは、減量の影響だと思っていたが、本当の原因はそこにあったのかもしれない。
大好きな人との別れは頭で分かっていても、簡単には、そのショックからは立ち直れない。
僕にもそういった経験があるから分かる。
僕のプロデビュー戦の祝勝会の後、友達が事故に遭い、数週間後に亡くなった。
頭では死の意味を理解はしていたが、その日からずっと心に何かがあった。
その後に二試合目が組まれたが、ずっと原因不明の頭痛が続き、吐き気や目の眩みも出てきて試合をキャンセルしてしまった事がある。
今となれば、あれは友との急な別れのダメージだったのだと思う。
今回の住吉の状態は、きっとそれと同じなのだと思う。
有り得ない失態に、少し注意も与えたが、本当は長年付き合ってきた仲間として住吉の状態を早く理解し、フォローしてやるべきだったと申し訳なく、反省している。
たぶん特効薬はない。失恋と同じように時間と共に傷は癒えていくしかないんだろうと思う。
今の住吉を見て、おじいちゃんもきっと心配しているはず。
はやく、いつもの明るく楽しい住吉に戻って、おじいちゃんを安心させてやってほしい。
おじいちゃんの為の弔い合戦はもういらない。
ただ明るく楽しく頑張っている孫の姿がおじいちゃんも一番嬉しいだろうから。
去年の直人の経験(悔しさ)と同じように、この経験も今の住吉に「ちょうどいい」学びであって、きっと来年の山口国体や全日本に繋がってくるはず。
住吉のサインの意味を見逃してしまった僕だが、今回のサインでやっと気づいた。
一昨年、去年は住吉が全日本三位入賞。今年は直人が入賞を決めている。
今年の目標「住直W入賞」は逃したが、来年こそは優勝という目標も交えた「住直W入賞」を達成させるべく、共に人生やボクシングを存分に楽しんで学んでいきたいと思う。 マサ