九州大会in鹿児島 総評。

毎年、この九州大会に行って多くの感動や学びを得ている。はるばる鹿児島まで応援に来てくれた川谷さんも「来る価値がある」と言ってくれる。本当に僕もそう思う。
中3の終わりから約2年半見てきた啓助の成長。まだ集大成とは言えないが、その証を確かに見る事ができた。
若貴の試合も観てきて、今大会で一番強く感じた事は、練習は嘘をつかないという 「因果」 だった。
リング上で嘘はつけない。その選手の性格、今の気持ち、これまでの努力が顕わになる。
試合直前まで、そして試合が終わるまで僕も全力で選手をサポートし、少しでも勝つ可能性を高めていく。
だけど、練習や日頃の生活の中で、培わなかった力を試合本番で出す事はできない。強い心も、強い体も、多くの技術戦術も、日々の努力なくして引き出す事はできない。
リングに上がってからの選手の体の動きや雰囲気で勝敗はほぼ分かる。手抜きなく練習してきた選手の体には自信と生気が満ち溢れているように感じるからだ。
試合前、啓助に言った。 「お前の努力も、技術も、人間力も、きっと相手に負けていない。自信を持って戦え」 と。
僕がそう言える努力を続けてきた啓助だからこその勝利だったのだと思う。
まだまだ課題は残る。それは勝った啓助と貴にも、負けた若にも、同じ事が言える。その課題を見つけ、次に繋げる為に、また日々の努力に精を出す事がボクサーとしても、「人間的成長」においても同じ事だと思う。
勝っていけば勝っていくだけ、強い相手が現れる。それは自身を常に試し、高めてくれる有り難い課題。途中リタイアすれば、この苦しさはなくなるけど「人間的成長」やそれに伴う達成感や喜びも失う。
    昔から 「若いうちの苦労は買ってでもしろ」 と言われる。
今、彼らはその若いうちにしかできない有り難い苦労をしながら、喜びや悔しさという感動や感謝という思いを知り、人として大きく成長をしている最中。
本当の敵は「自分の中」にある。日々自分自身に負けず、日々与えられる課題に負けず、戦い続けていく事が幸福への道であり、人生の意味なのだと僕は思う。
彼らにとっても、僕にとっても、とても学び深く価値の高い九州大会だった。  マサ
PS 留守の間ジムをやってくれていた住直、それをサポートしてくれた山口さん、熊井くん、裕一朗、鹿児島まで応援に来てくれた川谷さん一家、豊国学園ボクシング部監督の杉本先生、福岡県連の皆さん、大会運営の皆様、本当にありがとうございました。
選手への指導、会員やジュニアへの指導にも今回得た事を存分に生かしていきたいと思っています。