キャリア。

今回ずっと感じていた不安は、住吉の心の安定でした。
プロ三戦目に早くも訪れた世界ランカーとの試合。
勝てば世界ランカー、または日本か東洋のランキングに入るかもしれない。
しかし場所は神戸。初のアウェイでの試合。
「勝たなくてもいい」と言えば気は楽になったかもしれません。
だけど、それでは強いプレッシャーに打ち克ったとは言えません。
いつか来るタイトルマッチの為にも強いメンタル(人間力)が必要です。
相手の玉越選手はプロ40戦を越えるキャリアがあり、やはりいつもと変わらぬメンタルで固くなっている住吉からペースを奪っていきました。
スタミナも付いた。技術やスピード、パンチ力も付いた。減量もきちんとやれだした。
しかし、これがアマチュアの頃から、まだ解決できていない住吉の課題です。
よくボクサーが「不動心」や「平常心」という言葉を口にします。
試合の前夜に観たアメトークで麻雀の神様が麻雀牌に「揺れぬ心」と書いていました。
やはり、今回の住吉に与えられている一番の課題はここなんだろうと思いました。
麻雀の神様でも、揺れる心が己の読みや感性を鈍らせる事を一番戒めているのだと思います。
揺れる心とは「勝ちたい」「負けたくない」といった欲です。
それらを無くし、自然体(ナチュラルやニュートラル)な状態になる為に住吉にはまだまだ経験(キャリア)が必要なのかもしれません。
関門JAPANから40人の応援団が神戸まで来てくれました。力強い応援にアウェイ感がまったくありませんでした。本当にありがとうございました。
僕らは「勇気と感動」を皆さんにお返ししたかったのですが、それはもう少し先になりそうです。
この経験はきっと次に生きます。生かします。
この先、キャリア(経験)を積み、成長したアクセル住吉がタイトル奪取をするとき、皆さんに本当の「勇気と感動」を与えられるのだと思います。
チャンピオンになる為に避けては通れぬ壁が早くに立ちはだかりましたが、その課題に早く向き合える事が幸運なのだと思います。
成長のチャンス(経験)を与えてくれた千里馬会長、千里馬ジムの皆様、高嶋会長、ありがとうございます。やはり相手は「有難い課題」なのだと思います。
そして応援に来てくれた皆さん、応援してくれている皆さん、ご協賛頂いた皆様、今回は期待に応える事ができませんでしたが価値ある経験を積ませて頂きました。
アクセル住吉、バーニング石井他、関門JAPANボクシングジムは自身の壁を越え、いつか大きな「勇気と感動」を与える事をお約束致します。 会長