バーニング石井(関門JAPAN)VS金本祥平(グリーンツダ)。
いよいよバーニング石井も準備に入る。テーピングとバンテージを巻きながら今日のファイトプランを確認。
休憩後のダンスタイムを終え、いよいよWメインイベント一試目「バーニング石井VS金本祥平」のリングアナウンスが入り、会場のスクリーンには中川編集長制作のムービーが流れる。
僕とのミットを終え、相棒の住吉とシャドーマス。アマチュアの頃からのルーティンだ。
バーニング石井の入場曲「RUNAWAY」が流れ、応援団が持つ応援旗の中・・
バーニング石井・・
リングイン!
メインイベントに相応しい演出と会場の中、いよいよゴングが鳴る!
第1ラウンド。向き合ってみるとかなりの伸長差がある。序盤は様子見と距離を測りながら丁寧な滑り出しを心掛ける。
「どうだ?パンチは?」 「大丈夫です。」 「集中して正面に立つなよ」と注意を与える。
それには理由があった。
数日前に少し腰を痛めていた直人の右が精彩を欠いている事をミットを持つ中で、ずっと感じていたからだ。
その後も執拗にポジショニングに対しての声を出し続けた・・が!
第4ラウンド。偶然のバッティングにより直人が左眉をカットし、流血。その直後、恐れていた事が現実となり、金本選手の右ストレートでガクンと腰が落ちる・・ ピンチにさらされながらもなんとか持ちこたえ、コーナーへ戻る直人。
カットマン熊井が流血を止める中、ドクターがチェックに入る。あと4ラウンド。まだまだ試合は続く。流血が酷くなればドクターストップの可能性もある。活路はどこだ!?
左眉の傷を打たれる事を嫌った直人が出した答えは「サウスポーへのスイッチ」!この選択がものの見事に的中!ここから直人の独壇場となり、会場は大盛り上がり!
このサウスポーへのスイッチは住吉のプロ1戦目、有亮の今回の相手がサウスポーだった為に、自分の練習時間を割いて直人がサウスポーになって相手をしてきた中で向上させたモノだった。
「人の為に」は回りまわって自分の為になる事を実証させて見せた直人の闘いに心が震えた。
闘い(人生)とは予定通り計画どおりにはいかないモノ。そこで必要となるのが思考の「柔軟性」であり、「臨機応変」に対応する為の多くの引き出しでもある。
ここ一年での、そんな人としての成長もあったからこその闘いだと僕は感じている。
リングの上ではその選手の今が、努力が、成長が、心が、すべてが表れる。
逆転に沸く大歓声の中、遂に最終ラウンドを向かえる。
ポイントで勝っている事は明確だったが、関門JAPANの闘いは相手に敬意を払い最後の最後まで全力を尽くし、観てくださるすべての方に「勇気」と「感動」を与える為にある。
試合終了!直人よくやった。これぞ関門JAPANのボクシングだ。
熱くも清々しい闘いに、TEAM、選手、互いに健闘を称え合う。TEAMグリーンツダの皆さん、本当に熱い試合をありがとうございました!
この後、恒例の「バーニングな話」をしたみたいだけど、僕はこの後、登場の住吉の元へ走っていったので聞いてません。笑
この試合を観た多くの方が感動し、「スポーツを観てはじめて涙が出ました」と言ってくれる方もいました。
バーニング石井のボクシングにはまだまだ改善の余地がありますが、関門JAPANボクシングジムの思想や意思が完全に伝わっている事を誇りに思います。 会長
Wメインイベント二戦目アクセル住吉VS水貝和広へつづく