アクセル住吉(関門JAPAN)VSレオナルド・ドロニオ(フィリピン) 試合内容。
僕にバーニング石井戦の余韻に浸る間はなく、すぐに控え室に戻って住吉のアップ。アクセル住吉PVが流れ、いよいよ本日のメインイベントが始まる!
こちらも新しくした入場曲に乗って登場!!(前の方がらしくて良かったけどな~)
多くの観客が見守る中、心を定めて・・
いざ!
アクセル住吉リングイン!!
青コーナーからはドロニオ選手がリングイン。
花束が贈られる。
赤コーナー!関門JAPAN所属~ 元OPBF東洋太平洋ライト級13位 関門のとらふぐ アクセル住吉-っ!!
青コーナー!フィリピン OPBF東洋太平洋ライト級8位 レオナルド・ドロニオ~!!
前回、バーニング石井を強烈なKOで破ったドロニオ。僕らがこの一戦に懸ける思いは強い。
第1ラウンドのゴングが鳴り、ドロニオが手を合わせにくるが・・
手は合わせず、仕掛ける!
後に「あれは関門JAPANらしくない」と言われる方もいたが、ゴングが鳴った後に手を合わせないといけないというルールはない。
アマチュアでは、レフリーが促す最初のグローブタッチと試合終了時以外でのグローブタッチは注意を受ける。
僕は勝負の世界、それが正しいと思う。
リングの中で一瞬でも気を抜けば倒される。そんな緊張感と覚悟を持つ事こそがプロボクシングであり、それが、この試合に懸けた住吉の覚悟だった。
いつも立ち上がりに課題を残す住吉。
前回の徳永戦でも様子を見過ぎて序盤はペースが取れていなかった。
しかし、今日は違う!過去最強の相手ドロニオに対して勇気を持って序盤から仕掛けていく!
ドロニオの怖い右に対して勇気を持ってカウンターを取る!
リードジャブも果敢に打っていく!
「よし!いいぞ!ペースもポイントも取った。あとは集中!練習どおり!気を抜くな!」
「はい!いけます!」
第2ラウンド。
まだまだ続く住吉の攻勢!
ヒット&アウェイ、もしくはヒット&ラン!
強打者ドロニオに対して僕が閃いた戦術は住吉の一つの持ち味である「フットワーク」と「スピード」を存分に生かしたレナード戦法。
この試合の為に、この戦法の為に、過去最高に走った。 右足の疲労が強い為、特殊なソックスも履いた。
追わせる立場となる、この戦法の成否は「気迫」と「勇気」。この2点に掛かっている!
弱気になれば防戦一方となり、勝つ事はできない。
ゴング後の打撃は反則だからない。互いに 「なかなかやるな」 とグローブを合わせる。
馴れ合いはしない。しかし互いを認め合っている。
これが本当の勝負だ。
第3ラウンドはこれまでペースを取られ続けていたドロニオが動き出す。
クリーンヒットはないものの執拗に仕掛けてくるドロニオに、守勢に回る住吉。
しかし、ラウンドの後半は住吉が攻め返す!
第4ラウンド。
軽快なフットワークと・・
ドロニオが攻め込んでくるところに・・
カウンター!!これも毎日練習してきた事だ。
住吉が挑発する場面もあったが、これも戦術。
少しでも相手の冷静さを欠かせ、ペースを握って自分自身を震い立たせる為のモノ。
「絶対勝つ!」この強い思いが住吉の弱さを消し、ムキになる事なく作戦を確実に遂行していった。
強打者ドロニオに対し、クリンチの練習もしてきた。
格好悪くてもいい。絶対に勝つ! その姿を、歓喜の瞬間を、皆さんに見せるんだ!!
気迫は負けていない!
ドロニオの背筋が凍るアッパーカット!
紙一重の闘いが続く。
しかし、もうエンジンは温まっている。アクセル全開!ノンストップ!
攻撃的なドロニオ。ヒット&アウェイでクリーンヒットの多さと主導権を握っている住吉。
ここまで僕の採点では確実にポイントは勝っている。
もう負けはない!残り1ラウンド!
最終ラウンド。
空振りを繰り返したドロニオに疲れの色が見えるが、最終ラウンドに逆転すべく必ず倒しに来るだろう。
「よし!住吉よくやった!!あと1ラウンド!相手は絶対出てくるぞ!集中!」
「絶対勝つ!!」
「よし行け!」
レフリーに促され、最後のグローブタッチ。
念願のW勝利まで、あと1ラウンド!
ここまでの努力を、これまでの住吉の成長を信じる!
案の定、ドロニオは残るすべての力を振り絞って出てきた!
ここに付き合う必要はない!慎重に外し・・
距離を取る。
勝利まで、あと30秒!
リードジャブも入り・・
ここで試合終了のゴング!!
「よっしゃーーーっ!!」
「よし!よくやった!!」
前戦で勝ったバーニング石井と関門JAPANメンバーにサインを出してリングの上で記念撮影をする為に呼ぼうとした・・が。
ジャッジが三者三様でまさかの「引き分け」。
今回、僕自身も私生活から改善して、石井と住吉のW勝利を全力で目指してきただけに強い悔しさが残る・・
しかし、今回ドロニオと闘う事によって、住吉には大きな可能性が拓けた。
会場からはこのハイレベルな闘いに多くの拍手が送られた事がそれを証明していた。
最後に起きた住吉コールの後に、きっとバーニングが音頭を取ったんだろう。ドロニオコールも。
リング上でドロニオが住吉に言ったそうだ。
「ベリーストロング」と。
この闘いに敗者はいない。
当然、今回引き分けとなった原因は突き止めている。そこに更なる改善と可能性がある。
まだまだ神様は僕らを鍛え続けてくれる。
悔しい思いを与えられる事に、ボクシングができる事に、挑戦し続けられる事に、応援してくださる皆様に、感謝。
来年30を迎えるアクセル住吉、バーニング石井はボクサーとしての佳境に入っている。
かなり苦しかったけど「絶対勝つ!」と決めて臨んだ住吉、石井の今回の試合で得たモノは大きい。この学びは必ず今後に生きる。
これからも下関に勇気と感動を!! 完
おまけ。後日、Facebookで友達になった住吉とドロニオの会話。
ドロニオ 「もう一回戦いたいか?」
住吉 「戦いたいな」
ドロニオ 「いつやる?」
おいおい!プロモーターの俺を飛び越して勝手にマッチメイクすんじゃないよ!笑