アクセル住吉(関門JAPAN)VSネルソン・グルーペ(フィリピン)。

関門ドラマティックファイト3 アクセル住吉ランカー挑戦三度目の正直で起きたドラマティックファイトをどうぞ。(^^)

煽りVTRが終わり・・

入場曲「カンフーファイティング」に乗って本日のメインを務めるアクセル住吉登場!!



リングイン!

OPBF13位 WBOアジアユースチャンピオン、ネルソン・グルーペ選手(フィリピン)登場!

大切な東洋太平洋ランキングの懸った試合。決めてきた戦い方を確認する。

僕は空港に迎えに行ったときから前日の計量までネルソン選手を見てきた。若くて荒削りだが、体つきや顔つきがよく非常にいいモノを持っている感じがしている。
8戦8勝無敗の若武者(20歳)に対し、28歳、ボクサーとしては中堅に入った住吉がどんな闘いを見せる事ができるか?

1ラウンド。積極的に出てくるネルソン選手のアタックを距離を取っていなす。

ときおり伸びてくるパンチを被弾するものの・・

リーターンをしっかり打ち返す。

立ち上がりとしてはいい!作戦通りに1ラウンドを終えて聞く。 「パンチはあるか?」 「大丈夫です」
このままうまく流れに乗れれば・・という期待を込めて 「いけるやろ?」 と聞くと 「いけそうです」 

しかし、ネルソン選手の積極的なアタックに、そう簡単に流れは掴めない。

果敢に打ち合うシーンもあるが・・

ネルソン選手の激しいアタックに後手に回るシーンも見られる。

4ラウンドを終え、「ペースが取れません」 と少し弱気な住吉。この試合に際して幾つかの戦術を考えてきたが、気持ちで負けていてはどうにもならない。少し早いとは思いつつも一か八か流れを掴む為に・・
                 「勝負してみろ!」

このラウンドから戦い方を変えて前に出る住吉。しかしネルソン選手もそれを迎え撃つ。

前に出ようと足が交差したところに・・

右ストレートを横から打ち抜かれてダウン!少し足にもキテいるが、大丈夫!回復するだけの練習はしてきた。
攻め入るネルソン選手と真っ向打ち合い、5ラウンドをしのぎ切る。

いよいよ残り3ラウンド。

このとき僕の指示に一切の技術的なモノはなかった。
気負い過ぎでプロ初黒星を喫した玉越戦。勝っていた試合が負けになった悔しい鈴木戦から考えた事。それらが僕の頭の中に巡った。
      今、住吉に必要なモノ・・
                 「勝ちへの執念」
勝つ為には、ここから先は1ラウンドも落とせない。どうすればいい?
                      
                   「前へ!」
住吉に聞く 「勝つんか?」 うなずく住吉。 何度も聞く 「勝つか?」  住吉 「勝つ」。
     「ここからが勝負や!一歩も下がるな!絶対勝てっ!!」
                   「勝つ!」

練習してきた左ボディのカウンターが決まり、体がくの字に折れるネルソン選手。
       
                「チャンス~っ!!!」
この試合、初めて来たチャンス!逃すな~っ!!

流れを逃すな!!

ピンチの後にチャンスあり!キツくてもここは手を出し続けろ!!と声で背中を押す。

「すっみよしー!すっみよしー!」 皆の声援を受けて前へ!

最終ラウンド。

気持ちは前へ!心のチャンネルは入っている。もう負けない!

嫌がるネルソン選手。

絶対勝つっ!

あの地獄の走り込みとスパーリング・・

神戸での悔しさ。そして応援してくれる人の為に・・

少しも残さず、すべてを出し尽くせ!!

そして・・ここで試合終了のゴング!!

過去最高にキツい試合だったし、プロになってから一番強い相手だった。(住吉談)

判定を待つ。

2対1のスプリットデシジョン(僅差)で 勝者!赤コーナー!アクセル住吉~っ!!ランカー挑戦、三度目の正直で歓喜の瞬間が訪れた!!

住吉がプロになってこんなに盛り上がったのは、プロデビュー戦の岡崎戦以来だろう。あのときは調子に乗ってしまい、倒し倒されの大激闘。笑
気負い、猪突猛進の猪になってしまった玉越戦。力で勝りながらも勝ちへの執念が足りず目の上の浅いキズでTKO負けを喫した鈴木戦。
調子に乗って、いつも僕に怒られている住吉は、とうとう僕の前では酒が飲めなくなった。笑
すぐ調子に乗って失敗し、忘れてまた同じ失敗を繰り返す。何度も何度も痛い目に遭ってきた。
43勝18敗。アマチュア時代の横断幕には「七転び八起」。プロの横断幕には「NEVER GIVE UP!」 。
薄皮を剥ぐようにしか成長できない。それでも努力を続けてきた。ボクシングを続けてきた。
8戦8勝無敗の選手に3勝2敗の住吉が土をつけた。
僕は勝ち続ける選手より、負けを知って強くなる選手が好きだ。
関門JAPANは常に挑戦を続け、観る方々に「勇気」と「感動」を伝えられる、人として強く逞しい太陽のような選手を育てていこうと思っている。
様々な経験があって今日の勝利がある。
過去の結果は変えられない。だけど、その意味は変える事ができる。悔しかった神戸の敗戦もきっとこの日の為にあったのだと思える。
直人の試合が終わって控室に戻ると 「強気・・強気・・」 と自分に言い聞かせていた住吉。 「おいおい、今から試合やぞ。大丈夫か?汗」 って思ってた。笑
大きなプレッシャーや強敵に対してまだまだ自分をコントロールする事は難しい。
強い心を持つとは=ブレない信念や使命を持つ事。前向きな考え方ができる事。場数も必要。
まだまだ課題満載。少しずつ、少しずつ、薄皮を剥ぐように・・
 「諦めなければ夢は叶う!」 そんな住吉が大きな感動を巻き起こした事も事実。
      
                
            「あと5戦でタイトル行きマース!」
                      はい!調子乗った~っ!!笑

観客約1000人。多くの応援があって組めた試合であり、勝たせて頂いた試合だった。感謝の思いを込めて頭を下げ、リングを降りた。

試合を終えてネルソン選手が控え室に訪ねてきた。トランクスの交換はまだできないので関門JAPANTシャツをプレゼント。
まだ20歳。素直でポジティブな性格なだけにもっと経験と練習を積めば将来が大いに期待できる。今の彼で良かった。(^_^;) 長旅の上、他国(アウェイ)での戦い。これが逆であれば勝つ事はできなかったかもしれない。
後に自慢できるように「世界チャンピオンになってね」と頼んだ。笑

いくらかの写真撮影に応じるものの、ダメージが深く控室でこの状態。(^_^;)
バーニングの激闘に続き、こちらも大激闘。
「勇気」と「感動」を伝えるのが関門JAPANの使命。大変な使命を持っているけど、これからも皆様の期待を裏切る事なく挑戦し続けていきます!           
                              おわり
   
                        
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